コラム

◆どんな老眼鏡(リーディンググラス)を作るか

ここでは眼科医の先生のコメントを抜粋しながら進めていきます。

1)遠近両用メガネが良いのか
遠近両用のメガネを一つ持っていて、それで全部を間に合わせようとされる方がいますが、これはかなり無理があるようです。
遠近両用のメガネではふつう近見用の部分が狭く、このために視野も狭くて、長時間の読書などには疲れやすいといえます。近くのものをごく短い時間しか見ない方は、これ一つでも不自由を感じませんが、このためにかえって、読書や趣味などが限られてしまうこともあり、遠近両用メガネのほかに近用だけのメガネもお使いになるほうが良いと思います。
また、遠近両用メガネでは、階段の昇降など足元には十分気をつけて、遠用部分で足先を見る注意が必要です。

2)辞書をひくいときと楽譜を見るときではメガネの度数が違います。
老眼鏡の度は、見ようとするものと自分の目との距離によって変わります。
目から20cmぐらいの近距離で細かいものを見る老眼鏡や、50cmぐらいの距離においたテキストや楽譜などを見る老眼鏡では、それぞれの度で老眼鏡(リーディンググラス)を作らないと役にたちません。
老眼鏡(リーディンググラス)の度を測るときに、老眼鏡の用途や、どの位の距離で物を見るのに使うめがねかを申し出てください。
このことはまた、老眼鏡の枠を調整するときにもレンズの傾斜を考える上で参考になることがあります。

3)近距離用と中間距離用
細かいものを見る必要のある方は、老眼鏡を二種類もった方がよい場合もあります。
英和辞典の細かい文字や、趣味で細かいものをよく見るときなどは、やや強めの度の老眼鏡があるとよいのですが、このようなメガネは普段の読書などのときには強すぎて、かえって目が疲れてしまうことがありますので、二年おきぐらいに老眼鏡(リーディンググラス)を新しくして、以前細かいものを見るのに使っていた老眼鏡(リーディンググラス)を日常の中間距離用(50〜100cm)とし、新しい老眼鏡を細かいものを見るのに使うようにしていけば、いつも二種類の老眼鏡が手元にあることになり、これを使い分け便利に使うことができるようになります。

また、人によっては、遠用と近用との中間距離であわせた度の老眼鏡を日常使用してい、ある程度の遠見視力と近見視力とを同時に得てとてもよいと感じておられる方も多いようです。